「美術館、博物館」カテゴリーアーカイブ

京都国立博物館「京へのいざない展」の詳細

京都国立博物館で、来月常設展用の新しい展示館が開館しますが、その開館の際に開かれる所蔵作品展 「京へのいざない」展(9/13-11/16)の出品作品の詳細が、同館ウェブサイトで公開されていました。

京へのいざない展 – 京都国立博物館
京へのいざない展 チラシ – 京都国立博物館 (PDF)

普段は展示される機会が少ない絵画や書の名作も含め、同館の代表的な所蔵品(京都や奈良の複数の寺院からの寄託品も多く含む)がまとめて展示されるようです。

また、全2期のうちの第1期(9/13-10/13)は、特に出品作品が充実しており、雪舟筆 天橋立図(京博蔵)、同 山水図(同)、如拙筆 瓢鮎図(退蔵院蔵)、伝源頼朝像(神護寺蔵)、伝平重盛像(同)、阿弥陀二十五菩薩来迎図(知恩院蔵)、法然上人絵伝(同)等、中世絵画の名作が多く出品されるようです。

如拙筆 瓢鮎図
如拙筆 瓢鮎図

2014年の正倉院展の詳細が判明

今年の正倉院展の詳細が、奈良国立博物館(会場)と読売新聞社(主催社)のサイトで公開されていました。

第66回 正倉院展 – 奈良国立博物館
第66回 正倉院展 – 読売新聞

会期は例年通り10月下旬から11月中旬にかけて(10月24日(金)~11月12日(水))で、鳥毛立女屏風(とりげのじょのびょうぶ)、伎楽面 崑崙、檳榔木画箱(びんろうもくがのはこ)等の作品が出品されるようです。

鳥毛立女屏風 第4扇 部分
鳥毛立女屏風 第4扇 部分

正倉院には、天平時代の美術の名品(海外からの伝来品も一部含む)が約9000件収められていますが、公開されるのは、原則、年に1度の正倉院展の機会のみのため(しかも出展点数は毎回60~70点程度のため)、毎回の展示が貴重です。

東京都美術館の今年度の展覧会予定が判明

新年度になり、東京都美術館の今後1年間の展覧会予定が公開されていました。

展覧会 – 東京都美術館

東京都美術館では現在バルテュス展(2014/4/19-6/22)が開催中ですが、その後、7月中旬からは、ニューヨーク メトロポリタン美術館のエジプト美術コレクションから約200点が出品されるメトロポリタン美術館 古代エジプト展(7/19-9/23)が開かれるようです。

また、10月からはボッティチェリの作品が出品されるウフィツィ美術館展」(10/11-12/14)が、2015年1月からは新印象派展(2015/1/24-3/29)が開催されるようです。

どれも良さそうな展覧会ですが、ボッティチェリの作品が複数出品される(参考 PDF)ウフィツィ美術館展は特に見てみたい気がします。

中国では千単位の新しい美術館が造られている。しかし…

中国では千単位の新しい美術館(博物館)が造られているが、その中身をどうやって満たすのかというThe Economistの記事(2013年12月)を読みました。

Mad About Museums – China is building thousands of new museums, but how will it fill them?

中国各地で新しい美術館が鳴り物入りで開館するものの、その後コレクションもキュレーターも整わず、運営が継続的に行われない美術館も多いという主旨の記事です。

以下、適宜コメントを加えながら、内容の一部を抜粋・翻訳します。

・北京の五環路の外の、つい最近都市化された地区にある紅磚当代美術館(The Red Brick Contemporary Art Museum)は、1年余り前に完成した美術館で、新しく、7つの展示室を備えているが、現在入口近くの小さな一角以外は全く何も展示されていない。

→新しく開館した美術館が十分に活用・運営されていない事例。なお、紅磚当代美術館(日本語では「赤レンガ現代美術館」というような意味)という美術館は、北京の東北部の、韓国系ギャラリーが集まる望京地区等よりもさらに外側の元農村地域に開館した美術館のようです。(参考

・北京、上海だけでなく第2級、第3級の都市も含めた中国の各都市で、毎日のように美術館が生まれているが、その多くは未だにコレクションも学芸員も有していない。

→新設される美術館の多くがコレクションも学芸員も(!)持っていないというのは驚きです。

・1949年の中華人民共和国建国当時、中国には25の美術館しかなかった。1978年の鄧小平の改革開放政策以後、美術館の建設ブームが起こった。

・現行の五カ年計画(注: 第十二次五カ年計画、2011-2015年)では、中国では2015年までに3500館の美術館ができることになっているが、実際は2012年に計画は3年前倒しで達成された。2012年には451館の新しい美術館が開館し、同年末の時点で美術館の合計数は3866館となった。

→2012年だけで450館も開館と、近年急速に美術館の数が増えているようです。中国の13億という膨大な人口と単純に比較すると、4000弱という数自体は決して多すぎるとは思いませんが、美術館に行くような裕福な生活を送っている人が都市部のごく一部であることを考えると、現時点ではやはり過剰な数かもしれません。

・対して、アメリカで2008年の金融危機以前の10年間に建てられた美術館は年わずか20から40館だった。

→アメリカでも年に20から40館程度美術館が新設されているというのは、意外に多い印象です。

・公共美術館は、伝統的には中国文化の重要な要素ではなかった。(皇室の美術コレクションは宮殿に所蔵され、ごく一部の選ばれた人間しか見られなかった)

・中国の役人はそれを変え、ニューヨーク、パリ、ロンドン等の世界の大都市のように、中国も著名な美術館を持つべきだと考えている。また、古代文化を地元民にも外国人にも同じく見せびらかしたいと思っている。

→古代美術の展示に関して言えば、現在紫禁城内の古い宮殿を展示室として使っている故宮博物院に、大英博物館やルーブル美術館に匹敵する5万㎡規模の展示室を持つ新館(分院)を郊外に建築する計画が進んでいるというニュースが昨年ありました。(参考

・2009年に中国国務院は、文化を戦略産業の水準に格上げした。長期的に、文化は、GDPの5%を構成する「柱産業」となるべきとされている。美術館もその政策の一部である。

→近年中国各地で創意区(文化・芸術産業の育成地区のようなもの)が多く誕生していますが、その中にも政府や行政の政策・支援に基づくものは多いようです。(上海の創意地区に関する参考論文(PDF))

・北京では、政府がオリンピック公園の一部を、3つの新美術館と劇場、新しい国立図書館を備えた文化拠点にしようと計画している。

・また、北京市北東部の798芸術区に近い地区には、新しい中国美術館(National Art Museum of China, NAMOC)が建設される予定である。新しい中国美術館は、フランス人建築家のジャン・ヌーベルによって設計され、市中心部にある現行の中国美術館(1958年建設、8300㎡、5階建)の6倍の規模になる予定である。

→中国美術館は、中国の近現代美術を展示している美術館です。(日本で言うなら、東京国立近代美術館等に似たような役割・イメージでしょうか)

・公共美術館の建設ブームだけでなく、富裕なコレクターによる私立美術館の建築も続いている。

・コレクションの収集、運営等に成功している少ない私設美術館には、北京のユーレンス現代美術センター(Ullens Center for Contemporary Art, UCCA)、上海の震旦博物館(Aurora Museum、安藤忠雄建築)、上海外灘美術館(Rockbund Art Museum)がある。

→ユーレンス現代美術センターは、2007年、北京の798芸術区にベルギー人コレクターのユーレンス夫妻によって開設された美術館で、798芸術区の中心的なギャラリーの一つとなっています。
震旦博物館は、台湾系の震旦集団という企業によって2012年に作られた美術館で、中国の古代美術を展示しているようです。また、上海外灘美術館は外灘(バンド)地区の一角の再開発プロジェクトの一環として2010年に開設された美術館で現代美術を展示しているようです。

・2012年の上海ビエンナーレの際に開館し、アーティスト邱志杰のキュレーションによる展示が行われた上海当代芸術博物館(Power Station of Art)は、その展示の終了後活力を失った。取るに足る常設コレクションを持たず、常勤のキュレーターを雇うのに苦労している。

→上海当代芸術博物館は、2010年の万博時に発電所を改装して作った展示館を、万博終了後に美術館として開館させたもののようです。かなり大規模な美術館のようですが、常勤のキュレーターを雇うのに苦労しているというのは本当でしょうか・・?

・上海では近々2つの大規模美術館が開館する予定である。ひとつは上海の”スーパーコレクター” 劉益謙、王薇夫妻による美術館で、もうひとつはイタリア人アーティスト マウリツィオ・カテランの作品収集で知られる、中国系インドネシア人のコレクターBudi Tek氏の美術館である。両館とも鳴り物入りで開館するが、自身の役割を長期的に見出していくのは難しいかもしれない。

→前者は龍美術館、後者は余徳耀美術館(Yuz museum、追加参考リンク)として既に開館しているようです。
2010年頃は上海には現代美術の美術館はまだ片手に収まる位(上海当代芸術館上海多倫現代美術館上海ヒマラヤ美術館(旧上海証大美術館))等)しかなったように思いますが、ここ3~4年新しい美術館の開館が続いているようです。

・(美術館運営の)頭痛の種の一つは当局への対処で、中国の文化政策がほとんど明文化されていないだけでなく、たとえ短期であっても外国から美術品を持ってくるのに高額の証書を提出するか、輸入許可を取らなくてはいけなかったりする。

・歴史や政治に関する敏感さも見積もりが難しくなりがちである。例えば、文化大革命に関する展示は、公共美術館よりも私設美術館で、また北京よりも北京から遠い場所で許可されやすい傾向がある。(文化大革命に関する展示は)共に南の成都で1件、スワトウ(広東省)で1件あった。

→約40年前の文化大革命に関して、未だに2件程度しか展示が行われていないというのは驚きです。

・現代美術では、中国人アーティストはアイロニーや多義的な解釈を利用して、役人の我慢度を試している。

・(展示が許可されるものとされないものの)境界はあいまいだが、多くのアーティストはどこまでその境界を押してよいか分かっている。上海のギャラリーOCT当代芸術中心(OCT Contemporary Art Terminal, OCAT)のディレクター張培莉(チャン・ペイリー)は、「法輪功、ダライ・ラマ、天安門事件に関する展示、国家指導者を侮辱するあらゆるもの、局部を見せるあらゆるアート」という禁止項目リストを提示してくれた。

→政治上の理由で、展示内容、作品のテーマ等に関して中国では未だに表現の制約が多いことが伺えます。

東京国立博物館のキトラ古墳展の展示詳細が判明

東京国立博物館で4月下旬から開催予定のキトラ古墳展の詳細が、公式ウェブサイトにアップされています。

キトラ古墳の壁画は、キトラ古墳から1km余りの距離に位置する高松塚古墳の壁画と並んで、飛鳥時代の古墳壁画の代表的な作例です。

壁画自体は1983年に発見されましたが、その後カビの発生や壁画の劣化が見られたため2004年から壁画の剥ぎ取りが開始され、現在は修復・再構成作業が行われています。

キトラ古墳の壁画には、

  • 石室の四側面に1体ずつ描かれた、空想の動物を象った四神像(朱雀、青龍、玄武、白虎)
  • 石室の四側面の各下部に3体ずつ描かれた十二支像(子~亥)
  • 石室の天井に描かれた天文図

の大きく3種類の壁画がありますが、

今回の展示では、四神像のうち3像(朱雀、白虎、玄武)と、十二支像のうち2像(子、丑)、そして副葬品類が出展されます。

朱雀図
キトラ古墳 朱雀図

白虎図
キトラ古墳 白虎図

玄武図
キトラ古墳 玄武図

特に、キトラ古墳の壁画の中でサイズが大きく中心的存在の四神像が3点出展されるのは楽しみです。

キトラ古墳の壁画は、2016年をめどに修復が完了し、以降は現地の保存施設で保存・展示される予定となっています。

貴重な作品で頻繁に移動するのは難しそうなので、東京で見られる機会は今回の展覧会が最初で最後となるかもしれません。

2014年にぜひ見ておきたい東京の美術館・博物館の展覧会

美術館や主催社(新聞社、テレビ局)のウェブサイトで既に発表されている、2014年東京の美術館・博物館で開かれる展覧会の中から、特に期待できそうだと思ったものをピックアップしました。

年単位で予定を発表している美術館の展覧会については、2014年中の開催予定が確認できましたが、年度単位や不定期で予定を発表している美術館の展覧会については、現在公開されている情報だけを元にしています。

また、個人的に思う各展覧会の期待度を、★で表しています。

東京国立博物館

クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美

2014年1月15日(水)~2月23日(日)
アメリカ、クリーブランド美術館の日本美術コレクションから50点を展示。
雪村、曽我蕭白、河鍋暁斎の作品など。
期待度: ★
コメント:出品作品数は50点と少ないですが、雪村、曽我蕭白、河鍋暁斎等の秀作が展示されるようです。平成館の特別展示室 4室のうち2室を使う展覧会で、残りの2室では同時期に「人間国宝展―生み出された美、伝えゆくわざ― 人間国宝展」が開催されます。
クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美

開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」

2014年3月25日(火)~5月18日(日)
建仁寺と建仁寺を開いた栄西にゆかりの美術を展示。
俵屋宗達「風神雷神図屏風」(国宝)、海北友松「雲龍図」(重文)等
期待度: ★★
コメント:俵屋宗達「風神雷神図屏風」(国宝、江戸時代)が数年ぶりに東京で展示されます。風神雷神図屏風を次に東京で見られる機会はいつになるか分からないので、同作を見たい方には貴重な機会になると思います。
開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」

特別展 キトラ古墳壁画

2014年4月22日(火)~5月18日(日)
奈良のキトラ古墳の石室壁画を展示。
期待度: ★★
コメント:飛鳥時代の古墳壁画の貴重な作例であるキトラ古墳の石室壁画を東京で見られる、恐らく最初で最後の機会です。壁画は現在修復作業中で、全ての修復が完了した後は現地で恒久展示される予定のようです。
特別展 キトラ古墳壁画

台北 國立故宮博物院-神品至宝-

2014年6月24日(火)~9月15日(月)
期待度: ★★
台北の故宮博物院の作品を展示。孫過庭「書譜」(唐代)、高克恭「雲横秀嶺図」(元代)、翠玉白菜(清代)等。
コメント:台北の故宮博物館は中国美術の名作を多く所蔵していますが、その中から、書の名作 孫過庭「書譜」、元代の高克恭の代表作「雲横秀嶺図」、清代玉製品の代表作 翠玉白菜等が出品されるようです。
台北 國立故宮博物院-神品至宝-

日本国宝展

2014年10月15日(水)~12月7日(日)
期待度: ★★★
「祈り」をテーマに絵画・彫刻・工芸等を展示。展示作品は全て国宝で構成。出品作品は、縄文時代の国宝土偶数点、法隆寺 玉虫厨子(飛鳥時代)、興福寺東金堂 多聞天立像(平安時代)、雪舟「秋冬山水図」(室町時代、東京国立博物館蔵)、長谷川等伯「松に秋草図」(安土桃山時代)等。
コメント: 出品作品の全体はまだ分かりませんが、全作品が国宝だけで構成される展覧会で内容が非常に期待できそうです。同様の日本国宝展は直近では2000年に開催されていて、今回は14年ぶりの開催です。
日本国宝展

東京国立近代美術館

あなたの肖像─工藤哲巳回顧展

2014年2月4日(火)~3月30日(日)
戦後の前衛作家工藤哲巳の回顧展。
期待度: ★
あなたの肖像─工藤哲巳回顧展

国立西洋美術館

モネ展

2013年12月7日 (土) ~ 3月9日 (日)
国立西洋美術館とポーラ美術館が所蔵するモネ作品、近代美術作品を展示。
期待度: ★★
コメント: 両館のモネコレクションは普段常設展で展示されていますが、今回両館分の作品を合わせて見られるのは効率的かもしれません。
モネ展

東京都美術館

日本美術院再興100年 特別展 世紀の日本画

前期 2014年1月25日(土)~2月25日(火)、後期 2014年3月1日(土)~4月1日(火)
過去100年間に院展で展示された日本画の代表作品を展示。狩野芳崖「不動明王」、同「慈母観音」、橋本雅邦「龍虎図屏風」、今村紫紅「熱国之巻」等。
期待度: ★
日本美術院再興100年 特別展 世紀の日本画

バルテュス展

2014年4月19日(土)~6月22日(日)
バルテュスの大規模な回顧展。
期待度: ★
バルテュス展

東京芸術大学大学美術館

法隆寺-祈りとかたち

2014年4月26日(土)~6月22日(日)
法隆寺の仏教美術を展示。
金堂の毘沙門天(平安時代、国宝)、吉祥天(平安時代、国宝)、仏教絵画、昭和24年に焼失した金堂壁画の模写等。
期待度: ★★
コメント:出品される国宝仏像2点は平安時代の作品で、飛鳥仏を筆頭とする法隆寺の所蔵美術の中では必ずしも中核の作品という訳ではありませんが、秀作かと思います。他にも、重文の仏像、絵画が複数出品されるようです。
法隆寺-祈りとかたち

国立新美術館

イメージの力―国立民族学博物館コレクションにさぐる

2014年2月19日(水)~6月9日(月)
大阪の国立民族学博物館の所蔵品をアート的な視点から展示。
期待度: ★
イメージの力―国立民族学博物館コレクションにさぐる

中村一美展

2014年3月19日(水)~5月19日(月)
現代美術作家 中村一美の個展。
期待度: ★
中村一美展

オルセー美術館展 印象派の誕生―描くことの自由

2014年7月9日(水)~10月20日(月)
フランス、オルセー美術館所蔵の絵画展。ミレー「晩鐘」、マネ「笛を吹く少年」、モネ「サン=ラザール駅」等。
期待度: ★★
コメント: ミレー「晩鐘」、マネ「笛を吹く少年」、モネ「サン=ラザール駅」はいずれも各作家の代表作で、出品作品は厳選されている印象です。
オルセー美術館展 印象派の誕生―描くことの自由

森美術館

アンディ・ウォーホル展:永遠の15分

2014年2月1日(土)~5月6日(火・休)
ウォーホルの作品、資料を包括的に紹介する大規模な回顧展。国際巡回展。出展作品・資料は700点。
期待度: ★★★
コメント:出品作品が700点に及ぶ大規模な回顧展です。国内の美術館で開かれる展覧会では大体数十点~200点位の出品作品が通常で、700点という数は群を抜いています。代表的な版画作品の他、ドローイング、彫刻、映像、個人的な書簡等、多様な作品・資料が展示されるようです。
アンディ・ウォーホル展:永遠の15分

ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界

2014年5月31日(土)~8月31日(日)
子供をテーマにした現代美術作品の展覧会。
期待度: ★
ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界

リー・ミンウェイとその関係展―あらゆるものとの”つながり”について考える

2014年9月20日(土)~2015年1月4日(日)
台湾出身の現代アーティスト リー・ミンウェイの個展。
期待度: ★
リー・ミンウェイとその関係展―あらゆるものとの”つながり”について考える

森アーツセンターギャラリー

テート美術館の至宝 ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画の夢

2014年1月25日(土)~4月6日(日)
イギリス、テート美術館所蔵のラファエル前派の作家の絵画を展示。テート美術館で開催された展覧会の国際巡回展。
期待度: ★★
コメント:ジャン・エヴァリオット・ミレイ「オフィーリア」、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「プロセルピナ」等、ラファエル派の作家の代表作が複数展示されるようです。
テート美術館の至宝 ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画の夢

根津美術館

燕子花図と藤花図

2014年4月19日(土)~5月18日(日)
根津美術館所蔵の尾形光琳「燕子花図屏風」(国宝)と円山応挙「藤花図屏風」(重要文化財)等を展示。
期待度: ★★
コメント:根津美術館の代表作品のひとつ尾形光琳「燕子花図屏風」は、毎年春に展示されるのが恒例です。展示構成は毎年違っていて、今年は円山応挙「藤花図屏風」等と一緒に展示されるようです。
根津美術館 年間スケジュール

東京都現代美術館

「驚くべきリアル」展 スペイン、ラテンアメリカの現代アート‐MUSACコレクション‐

2014年2月15日(土) ~5月11日(日)
スペインのカスティーリャ・イ・レオン現代美術館所蔵の現代美術作品を展示。27作家。
期待度: ★
「驚くべきリアル」展 スペイン、ラテンアメリカの現代アート‐MUSACコレクション‐

MOTアニュアル2014

2014年2月15日(土) ~5月11日(日)
国内の若手作家を紹介する毎年恒例の展覧会。
期待度: ★
東京都現代美術館 年間スケジュール

Bunkamura ザ・ミュージアム

シャヴァンヌ展

2014年1月2日(木)~3月9日(日)
シャヴァンヌの壁画作品、絵画を展示。
期待度: ★
シャヴァンヌ展

ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション

2014年4月4日(金)~5月25日(日)
イタリア ミラノのポルディ・ペッツォーリ美術館所蔵の作品を展示。ポッライウォーロ「貴婦人の肖像」等。
期待度: ★★
ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション

三菱一号館美術館

ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900

2014年1月30日(木)~5月6日(火・祝)
イギリス ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館等の所蔵品から、19世紀半ばイギリスの耽美主義作家の作品を展示。
期待度: ★★
コメント: 19世紀イギリスの唯美主義(耽美主義)的美術、工芸の作品が展示されるようです。森アーツセンター・ギャラリーのラファエル前派展と重なる時代を扱っていますが、ラファエル前派展が絵画中心のようなのに対し、こちらは工芸、デザインが中心のようです。
ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900

ヴァロットン展 ―冷たい炎の画家

2014年6月14日(土)~9月23日(火・祝)
オルセー美術館等による監修のヴァロットン回顧展。
期待度: ★
ヴァロットン展 ―冷たい炎の画家

ボストン美術館 ミレー展 ―傑作の数々と画家の真実

2014年10月17日(金)~2015年1月12日(月・祝)
アメリカ、ボストン美術館所蔵のミレーと他バルビゾン派画家の作品を展示。
ミレー「種をまく人」、「刈入れ人たちの休息(ルツとボアズ)」、「羊飼いの娘」など。
期待度: ★★
コメント: 特に有名な「種をまく人」をはじめ、上記3点はいずれもミレーの代表作です。
三菱一号館美術館 展覧会情報

サントリー美術館

高野山開創1200年記念 高野山の名宝(仮称)

2014年10月11日(土)~12月7日(日)
高野山の仏教美術を展示。運慶作制多伽童子像(国宝)、快慶作孔雀明王像(重文)等。
期待度: ★
サントリー美術館 これからの展覧会

東京都写真美術館

没後百年 日本写真の開拓者 下岡蓮杖

2014年3月4日(火)~5月6日(火・祝)
幕末~明治の写真家、下岡蓮杖の回顧展。
期待度: ★
没後百年 日本写真の開拓者 下岡蓮杖

江戸東京博物館

大浮世絵展

2014年1月2日(木)~3月2日(日)
国内外の浮世絵の代表作を展示。展示作品は約350点。
期待度: ★★
コメント: 浮世絵の母体となった肉筆画から、幕末・近代の浮世絵まで各時代の代表作が展示されるようです。出品点数も多いので、浮世絵をまとめて見るには良い展覧会かと思います。
大浮世絵展

世田谷美術館

ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展

2014年6月28日(土)~9月15日(月・祝)
ボストン美術館所蔵の、ジャポニスム絵画、工芸、関連する日本の浮世絵等の展示。モネ「ラ・ジャポネーズ」、ゴッホ「子守唄(オーギュスティーヌ・ルーランの肖像)」等。
期待度: ★★
コメント:ボストン美術館が所蔵するジャポニスム(日本趣味)の近代西洋美術と、それに影響を与えた日本美術、工芸等が展示されるようです。出品作品中のモネ「ラ・ジャポネーズ」、ゴッホ「子守唄(オーギュスティーヌ・ルーランの肖像)」(5連作の1枚)はいずれも各画家の代表作です。
ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展

※展覧会、リンク先等は新しい情報が分かり次第随時追加、更新する可能性があります。

東京国立博物館の新春特別公開 (と雪舟 秋冬山水図の公開)

東京国立博物館で、2014年1月2日(木)から1月13日(月)まで国宝絵画の何点かが特別公開されるようです。

東京国立博物館 新春特別公開

公開される長谷川等伯 松林図屏風(安土桃山時代、国宝)、池大雅 楼閣山水図屏風(江戸時代、国宝)、雪舟 破墨山水図(室町時代、国宝)は、いずれも東京国立博物館を代表する所蔵品で、かつ各作家の代表作でもあります。

どれも1~2年に一度は公開されている作品ですが、今のタイミングで見たい方はぜひ足を運ばれてみてください。

なお、これらの作品に続いて、1月末から雪舟の名作 秋冬山水図(室町時代、国宝)も国宝室で展示される予定のようです(参考)。

国立西洋美術館でモネ展が開幕

先週12/7(土)から、上野の国立西洋美術館でモネ展が始まっています。

国立西洋美術館のモネコレクションと、箱根のポーラ美術館のモネ作品、他に、両館が持っているモネ以外の近代絵画のコレクションが展示される展覧会のようです。

国立西洋美術館はモネの作品を17点、ポーラ美術館は19点所有していて、今回の展覧会ではほぼ全て(計35点)が展示されます。

西洋美術館のモネ作品やその他の西洋絵画コレクションは普段常設展示で見られますが、遠方のポーラ美術館の作品も合わせて見られるのは効率的かもしれません。

モネ 風景をみる眼

北京の故宮博物院に大規模な分院の建設計画が進行中

北京の故宮博物院に大規模な分院の建設計画が進行中とのことです。

10日付の中国紙、京華時報は、北京市中心部にある故宮博物院が手狭となり、収蔵品の保管や修復に支障が出ているため、市内の別の場所に敷地47万平方メートルの分院を建設する計画が進んでいると伝えた。展覧部分が5万平方メートルを超える大規模博物館で、年に少なくとも300万人の観客を見込んでいる。 msn産経ニュース

私は昨冬旅行で北京の故宮を訪れ、宮殿建築の他に、陶磁器の展示館(陶瓷館)、工芸品類を展示した珍宝館等で美術品を見学しましたが、それらの展示館はいずれも清代の宮殿建築を利用したもので、決して近代的な展示設備とは言いがたいものでした。

・故宮の文華殿(陶瓷館)

故宮 文華殿

また、故宮は93万4000点という膨大な所蔵品を所有していますが、その所蔵品数と比べ、確かに面積、拡張性等の面で大きく能力が不足している印象もありました。

引き続き、今までのように故宮の伝統ある建物で美術品を鑑賞できる機会もあると良いと思いますが、それと並行して、近代的で大規模な展示室と、記事にあるような修復施設や、保存、研究等の施設を備えた博物館を準備することは必須だっただろうと思います。

新しい博物館は、展示部分が5万平方メートルとのことですが、これは、完成すれば日本の国立博物館4館(東京、京都、奈良、九州)の展示面積の計約3万平方メートルをはるかに超える規模で、少なくとも面積上ではイギリスの大英博物館(5万7000平方メートル)、フランスのルーブル美術館(展示面積6万1000平方メートル)等に匹敵する(参考)、世界トップクラスの規模の博物館となりそうです。

分館が完成すれば、今は展示スペースの制限で十分に公開できていない美術品、文化財等も多く常時展示され、北京を訪れた際には見逃せない博物館の一つとなるかと思います。