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京都の特別公開(2014年秋)

今秋の京都の寺社の特別公開スケジュールが、以下サイトで公開されていました。

京都の特別拝観・一般公開 – KYOTO design

仏像や仏教絵画に見どころの多い主要寺院では、主に以下の特別公開が予定されています。

東寺 宝物館 秋季特別展 (9月20日~11月25日) 
東寺 観智院 特別公開 (9月20日~11月25日)
・仁和寺 霊宝館 秋季名宝展 (10月1日~11月24日) 
・清凉寺 霊宝館 秋期特別公開 (10月1日~11月30日)
青蓮院門跡 青龍殿 青不動明王ご開帳 (10月8日~10月23日)
・醍醐寺 霊宝館 秋期特別公開 (10月11日~12月7日)

禅宗庭園や禅宗美術に見どころの多い寺院では、主に以下の特別公開が予定されています。

大徳寺 本坊 特別公開 (9月20日~10月11日)
銀閣寺 秋の特別拝観 (10月4日~11月30日)
大徳寺 興臨院 特別公開(10月11日~12月15日)
大徳寺 本坊 曝涼展 (10月12日)
大徳寺 高桐院 曝涼展 (10月12日)
大徳寺 黄梅院 特別公開(10月12日~12月7日)
東福寺 秋の特別拝観 (11月1日~12月7日)

なお、今秋は、京都国立博物館で新常設館の開館記念展(京へのいざない展 9月13日~11月16日)、国宝鳥獣戯画と高山寺展(10月7日~11月24日)も開催されます。

京都国立博物館「京へのいざない展」の詳細

京都国立博物館で、来月常設展用の新しい展示館が開館しますが、その開館の際に開かれる所蔵作品展 「京へのいざない」展(9/13-11/16)の出品作品の詳細が、同館ウェブサイトで公開されていました。

京へのいざない展 – 京都国立博物館
京へのいざない展 チラシ – 京都国立博物館 (PDF)

普段は展示される機会が少ない絵画や書の名作も含め、同館の代表的な所蔵品(京都や奈良の複数の寺院からの寄託品も多く含む)がまとめて展示されるようです。

また、全2期のうちの第1期(9/13-10/13)は、特に出品作品が充実しており、雪舟筆 天橋立図(京博蔵)、同 山水図(同)、如拙筆 瓢鮎図(退蔵院蔵)、伝源頼朝像(神護寺蔵)、伝平重盛像(同)、阿弥陀二十五菩薩来迎図(知恩院蔵)、法然上人絵伝(同)等、中世絵画の名作が多く出品されるようです。

如拙筆 瓢鮎図
如拙筆 瓢鮎図

事前予約が必要な京都の宮殿、寺院、庭園など

京都には時期を決めて境内や美術作品の特別公開を行っている寺院、神社等の他に、通常は非公開で見学には事前申し込みが必要な観光地がいくつかあります。

事前予約が必要な京都の観光地 – Naver まとめ

このうち、京都御所桂離宮修学院離宮苔寺(西芳寺)などは特に代表的です。

宮内庁管理の京都御所、桂離宮、修学院離宮は、ハガキ、窓口(宮内庁の京都事務所)、ネットで申し込みができるようですが、遠方から申し込みが可能で一番確実に予約が取れるのはハガキでの申し込みのようです。 (参考

また、京都御所は、春と秋に各5日程度一般公開もされます。

苔寺の見学申し込みは同寺あてのハガキで受け付けていて、コースには写経等も含まれているようです。

京都の特別公開(2014年春)

3月下旬から、京都の色々な寺社でも特別公開が始まっています。

京都の特別拝観・一般公開 – KYOTO design
イベントカレンダー – DigiStyle 京都

時期的には、3月下旬から5月下旬にかけて特別公開を行う寺院が多く、代表的な寺院は以下です。

東寺 宝物館(2014/3/20-5/25)
観智院 五大虚空蔵菩薩坐像(3/20-5/25)
醍醐寺 霊宝館(3/20-5/18)
・大徳寺の複数の塔頭寺院(興臨院 3/22-6/1、総見院 3/23~5/25、黄梅院 3/23-5/11)
仁和寺 霊宝館(4/1-5/25)
清涼寺 霊宝館(4/1-5/31)

兜跋毘沙門天像
《兜跋毘沙門天像》(唐代、東寺蔵)

東寺 宝物館、醍醐寺 霊宝館、仁和寺 霊宝館、清涼寺 霊宝館では、各寺院が所蔵する普段非公開の仏教美術(仏像、絵画、工芸等)が多く展示されるので、特別公開の時期は、これらの寺院を訪れるのに絶好の機会です。

また、普段非公開の大徳寺の塔頭寺院の一部で、建物と禅宗庭園の特別公開が行われます。

※これらの寺院では、同様の特別公開を毎年秋にも行っています。

比較的長期間行われる上記の特別公開の他に、ゴールデンウィークの時期(4/26-5/6)には京都古文化保存協会の主催する別の特別公開も行われます。

京都古文化保存協会 平成26年度 京都春季非公開文化財特別公開

こちらは毎年公開される寺社も、1年限りの寺社も含まれています。

今春の公開対象は20箇所で、
大徳寺 本坊
知恩院 三門
東寺 五重塔 初層 (4/26-5/25)
仁和寺金堂・経蔵
などが公開されます。

また、毎年5月上旬の5日間(5/1-5)に限って貴重な美術作品の特別公開を行っている寺院として神護寺があり、伝源頼朝像、伝平重盛像、釈迦如来像といった国宝絵画等が特別公開されます。

神護寺

伝源頼朝像
《伝源頼朝像》(神護寺蔵)

春の京都は多くの寺院で特別公開が行われる他、気候も良く歩きやすいので、秋と並んで美術鑑賞に訪れるには最適です。

※特別公開の日程、休止日等については、訪問前に各寺院の公式HP等で最新の情報を確認して下さい。

京都の特別拝観(2013年秋) まとめ

この秋京都に調査旅行に行こうと計画しているので、事前調査として、京都の寺院・神社の秋の特別拝観のうち、個人的に見学先候補に入れたいと思ったものをまとめてみました。

※並びは会期の開始日順です。

醍醐寺

2013年9月14日(土)~12月8日(日)、9:00~16:30
例年、霊宝館で仏像とその他文化財等(国宝、重文複数)が展示される。
参考: 醍醐寺霊宝館 秋期特別公開 – KYOTO Design

東寺

2013年9月20日(金)~11月25日(月)
例年、五重塔(国宝)の初層内部、観智院(国宝)の内部と同院所蔵の五大虚空蔵菩薩坐像(重文)が公開される他、宝物館で仏像、その他文化財等(国宝、重文複数)の特別展が開かれる。
参考: 東寺 特別展のお知らせ ※記事執筆時点で、今年分の内容は未掲載

東寺 五重塔

相国寺

2013年9月25日(水)~12月15日(日)、10:00~16:00(受付終了。閉門16:30)
開山堂庭園、法堂(重文)内部の釈迦如来像(重文)と鳴き龍(重文)、浴室が公開される。
参考: 臨済宗相国寺派 秋の特別拝観

仁和寺

2013年10月1日(火)~11月24日(日)、9:00~16:30
霊宝館で、阿弥陀三尊像(国宝)をはじめとする仏像とその他文化財等(国宝、重文複数)が展示される。
参考: 仁和寺 拝観・境内のご案内

清涼寺

2013年10月1日(火)~11月30日(土)、9:00~17:00
霊宝館で、木造釈迦如来立像および像内納入品(国宝)、阿弥陀三尊坐像(国宝)をはじめとする仏像とその他文化財等(国宝、重文複数)が展示される。
参考: 清涼寺 霊宝館 秋期特別公開 – KYOTO Design

大覚寺

2013年10月4日(金)~12月9日(月)、9:00~16:30
霊宝館で、幕末から明治・大正時代の大覚寺の歴史資料と、高村光雲・富岡鉄斎の作品等が展示される。
参考: 旧嵯峨御所大覚寺門跡 特別名宝展 嵯峨御所大覚寺の名宝 「大覚寺の栄華」

銀閣寺

2013年10月5日(土)~12月1日(日)、10:00~16:00(受付は15:30までを推奨)
東求堂(国宝)の内部、本堂(いわゆる「銀閣」とは別の建物)の内部、本堂内の与謝蕪村・池大雅の襖絵等が公開される。
参考: 臨済宗相国寺派 秋の特別拝観

銀閣寺

等持院

2013年10月11日(金)~15日(火)、9:00~16:00
狩野派作の方丈障壁画、長谷川等伯作の豊臣秀吉像等が公開される。
参考: 等持院 秋の特別展 – KYOTO Design

大徳寺 総見院

2013年10月12日(土)~12月8日(日)、10:00~16:00
※10月20日(日)、11月15日(金)、11月3日(日)の午前、12月1日(日)の午前は除く
建物、文化財が公開される。
参考: 大徳寺総見院 特別公開情報 – 京都春秋

大徳寺 黄梅院

2013年10月12日(土)~12月8日(日)、10:00~16:00
※10月28日(月)は除く
本堂、唐門、庫裡(いずれも重文)を含む建物、庭園、文化財等が公開される。
参考: 大徳寺黄梅院 特別公開情報 – 京都春秋

大徳寺 興臨院

2013年10月12日(土)~12月15日(日)、10:00~16:00
本堂(重文)、表門(重文)を含む建物、庭園、文化財等が公開される。
参考: 大徳寺興臨院 特別公開情報 – 京都春秋

上賀茂神社

2013年11月1日(金)~11月10日(日)、9:30~16:00
本殿(国宝)と権殿(国宝)への参拝が行える他、庁ノ舎(重文)等が公開される。
※本殿と権殿の特別参拝は、上記期間外にも別企画として実施されている模様。
参考: 第49回 京都非公開文化財特別公開 – 京都古文化保存協会

上賀茂神社

大徳寺 真珠庵

2013年11月1日(金)~11月10日(日)、9:00~16:00
方丈(重文)、方丈障壁画(重文)、通僊院(重文)、庭園(名勝)等が公開される。
参考: 第49回 京都非公開文化財特別公開 – 京都古文化保存協会

下鴨神社

2013年11月1日(金)~11月10日(日)、9:00~16:00
摂社の三井神社(重文)、出雲井於神社(重文)、河合神社等が公開される。
参考: 第49回 京都非公開文化財特別公開 – 京都古文化保存協会

法然院

2013年11月1日(金)~11月7日(木)、9:30~16:00
本堂、方丈、方丈障壁画(狩野光信筆、重文)、庭園等が公開される。
参考: 法然院 年中行事

知恩院

2013年11月1日(金)~11月10日(日)、9:00~16:00
三門(国宝)の内部、三門内の釈迦牟尼坐像(重文)、十六羅漢像(重文)、天井画等が公開される。
参考: 第49回 京都非公開文化財特別公開 – 京都古文化保存協会
参考: 知恩院 三門

知恩院 三門

妙法院

2013年11月1日(金)~11月10日(日)、9:00~16:00
庫裏(国宝)、大書院(重文)、庭園、本尊の普賢菩薩像(重文)等が公開されるほか、宝物庫の「龍華蔵」内で文化財(例年国宝、重文が複数)が展示される。
参考: 第49回 京都非公開文化財特別公開 – 京都古文化保存協会

東福寺

2013年11月1日(金)~11月10日(日)、9:00~16:00
三門(国宝)の内部、三門内の釈迦如来坐像、十六羅漢像等が公開。
参考: 第49回 京都非公開文化財特別公開 – 京都古文化保存協会
参考: 東福寺

永明院

2013年11月1日(金)~11月10日(日)、9:00~16:00
初公開。圓鑑禅師坐像及び像内納入品(重文)、釈迦如来像(重文)等。
参考: 第49回 京都非公開文化財特別公開 – 京都古文化保存協会

放生院

2013年11月1日(金)~11月10日(日)、9:00~16:00
初公開。浮島十三重石塔(重文)、地蔵菩薩像(重文)、不動明王像(重文)、宇治橋断碑(重文)等。
参考: 第49回 京都非公開文化財特別公開 – 京都古文化保存協会

石清水八幡宮

2013年11月1日(金)~11月10日(日)、9:00~16:00
本殿(重文)、書院、木造八幡童形神坐像(重文)等が公開される。
参考: 第49回 京都非公開文化財特別公開 – 京都古文化保存協会

大徳寺本坊

2013年11月24日(日)~12月7日(土)、9:30~16:00(受付終了)
方丈(国宝)、唐門(国宝)、方丈庭園(特別名勝)、狩野探幽筆の方丈障壁画(重文)等が公開される。
参考: 大徳寺本坊 特別公開情報 – 京都春秋

大徳寺

最後に

どんなジャンルや傾向の作品を見たいか、過去の特別公開の際に既に訪れているかどうか等によって、人により目的地は変わるかと思いますが、
公開される文化財の量や質の面から言うと、上記の中では醍醐寺、東寺、仁和寺、清涼寺、銀閣寺、上賀茂神社、妙法院、大徳寺本坊等が、特に見どころが多そうに思います。

私自身は、一部の寺社(醍醐寺、東寺、相国寺、仁和寺、清涼寺、大覚寺)では今季と同様の特別拝観を一度見学してしまっているため、
今秋は、まだ特別拝観に行ったことがない寺社のうち、銀閣寺、大徳寺塔頭寺院(総見院、黄梅院、興臨院、真珠庵)、上賀茂神社、知恩院、妙法院、東福寺、大徳寺本坊等を優先的に見学してみたいと思っています。

なお、各特別公開、展示の日程、内容等は今後上記と変更となる可能性もあるかもしれませんので、実際に訪問される場合は、寺院・神社の公式サイト、下記参考サイトに挙げた情報サイト等で最新情報を確認されることをおすすめします。

[参考サイト]

(写真クレジット:
Toji temple 東寺_12 by ajari銀閣寺 by Kentaro OhnoEntrance by kimubertChion-In by photoantenna大徳寺 by Keisuke Mutoh