「中国」カテゴリーアーカイブ

中国では千単位の新しい美術館が造られている。しかし…

中国では千単位の新しい美術館(博物館)が造られているが、その中身をどうやって満たすのかというThe Economistの記事(2013年12月)を読みました。

Mad About Museums – China is building thousands of new museums, but how will it fill them?

中国各地で新しい美術館が鳴り物入りで開館するものの、その後コレクションもキュレーターも整わず、運営が継続的に行われない美術館も多いという主旨の記事です。

以下、適宜コメントを加えながら、内容の一部を抜粋・翻訳します。

・北京の五環路の外の、つい最近都市化された地区にある紅磚当代美術館(The Red Brick Contemporary Art Museum)は、1年余り前に完成した美術館で、新しく、7つの展示室を備えているが、現在入口近くの小さな一角以外は全く何も展示されていない。

→新しく開館した美術館が十分に活用・運営されていない事例。なお、紅磚当代美術館(日本語では「赤レンガ現代美術館」というような意味)という美術館は、北京の東北部の、韓国系ギャラリーが集まる望京地区等よりもさらに外側の元農村地域に開館した美術館のようです。(参考

・北京、上海だけでなく第2級、第3級の都市も含めた中国の各都市で、毎日のように美術館が生まれているが、その多くは未だにコレクションも学芸員も有していない。

→新設される美術館の多くがコレクションも学芸員も(!)持っていないというのは驚きです。

・1949年の中華人民共和国建国当時、中国には25の美術館しかなかった。1978年の鄧小平の改革開放政策以後、美術館の建設ブームが起こった。

・現行の五カ年計画(注: 第十二次五カ年計画、2011-2015年)では、中国では2015年までに3500館の美術館ができることになっているが、実際は2012年に計画は3年前倒しで達成された。2012年には451館の新しい美術館が開館し、同年末の時点で美術館の合計数は3866館となった。

→2012年だけで450館も開館と、近年急速に美術館の数が増えているようです。中国の13億という膨大な人口と単純に比較すると、4000弱という数自体は決して多すぎるとは思いませんが、美術館に行くような裕福な生活を送っている人が都市部のごく一部であることを考えると、現時点ではやはり過剰な数かもしれません。

・対して、アメリカで2008年の金融危機以前の10年間に建てられた美術館は年わずか20から40館だった。

→アメリカでも年に20から40館程度美術館が新設されているというのは、意外に多い印象です。

・公共美術館は、伝統的には中国文化の重要な要素ではなかった。(皇室の美術コレクションは宮殿に所蔵され、ごく一部の選ばれた人間しか見られなかった)

・中国の役人はそれを変え、ニューヨーク、パリ、ロンドン等の世界の大都市のように、中国も著名な美術館を持つべきだと考えている。また、古代文化を地元民にも外国人にも同じく見せびらかしたいと思っている。

→古代美術の展示に関して言えば、現在紫禁城内の古い宮殿を展示室として使っている故宮博物院に、大英博物館やルーブル美術館に匹敵する5万㎡規模の展示室を持つ新館(分院)を郊外に建築する計画が進んでいるというニュースが昨年ありました。(参考

・2009年に中国国務院は、文化を戦略産業の水準に格上げした。長期的に、文化は、GDPの5%を構成する「柱産業」となるべきとされている。美術館もその政策の一部である。

→近年中国各地で創意区(文化・芸術産業の育成地区のようなもの)が多く誕生していますが、その中にも政府や行政の政策・支援に基づくものは多いようです。(上海の創意地区に関する参考論文(PDF))

・北京では、政府がオリンピック公園の一部を、3つの新美術館と劇場、新しい国立図書館を備えた文化拠点にしようと計画している。

・また、北京市北東部の798芸術区に近い地区には、新しい中国美術館(National Art Museum of China, NAMOC)が建設される予定である。新しい中国美術館は、フランス人建築家のジャン・ヌーベルによって設計され、市中心部にある現行の中国美術館(1958年建設、8300㎡、5階建)の6倍の規模になる予定である。

→中国美術館は、中国の近現代美術を展示している美術館です。(日本で言うなら、東京国立近代美術館等に似たような役割・イメージでしょうか)

・公共美術館の建設ブームだけでなく、富裕なコレクターによる私立美術館の建築も続いている。

・コレクションの収集、運営等に成功している少ない私設美術館には、北京のユーレンス現代美術センター(Ullens Center for Contemporary Art, UCCA)、上海の震旦博物館(Aurora Museum、安藤忠雄建築)、上海外灘美術館(Rockbund Art Museum)がある。

→ユーレンス現代美術センターは、2007年、北京の798芸術区にベルギー人コレクターのユーレンス夫妻によって開設された美術館で、798芸術区の中心的なギャラリーの一つとなっています。
震旦博物館は、台湾系の震旦集団という企業によって2012年に作られた美術館で、中国の古代美術を展示しているようです。また、上海外灘美術館は外灘(バンド)地区の一角の再開発プロジェクトの一環として2010年に開設された美術館で現代美術を展示しているようです。

・2012年の上海ビエンナーレの際に開館し、アーティスト邱志杰のキュレーションによる展示が行われた上海当代芸術博物館(Power Station of Art)は、その展示の終了後活力を失った。取るに足る常設コレクションを持たず、常勤のキュレーターを雇うのに苦労している。

→上海当代芸術博物館は、2010年の万博時に発電所を改装して作った展示館を、万博終了後に美術館として開館させたもののようです。かなり大規模な美術館のようですが、常勤のキュレーターを雇うのに苦労しているというのは本当でしょうか・・?

・上海では近々2つの大規模美術館が開館する予定である。ひとつは上海の”スーパーコレクター” 劉益謙、王薇夫妻による美術館で、もうひとつはイタリア人アーティスト マウリツィオ・カテランの作品収集で知られる、中国系インドネシア人のコレクターBudi Tek氏の美術館である。両館とも鳴り物入りで開館するが、自身の役割を長期的に見出していくのは難しいかもしれない。

→前者は龍美術館、後者は余徳耀美術館(Yuz museum、追加参考リンク)として既に開館しているようです。
2010年頃は上海には現代美術の美術館はまだ片手に収まる位(上海当代芸術館上海多倫現代美術館上海ヒマラヤ美術館(旧上海証大美術館))等)しかなったように思いますが、ここ3~4年新しい美術館の開館が続いているようです。

・(美術館運営の)頭痛の種の一つは当局への対処で、中国の文化政策がほとんど明文化されていないだけでなく、たとえ短期であっても外国から美術品を持ってくるのに高額の証書を提出するか、輸入許可を取らなくてはいけなかったりする。

・歴史や政治に関する敏感さも見積もりが難しくなりがちである。例えば、文化大革命に関する展示は、公共美術館よりも私設美術館で、また北京よりも北京から遠い場所で許可されやすい傾向がある。(文化大革命に関する展示は)共に南の成都で1件、スワトウ(広東省)で1件あった。

→約40年前の文化大革命に関して、未だに2件程度しか展示が行われていないというのは驚きです。

・現代美術では、中国人アーティストはアイロニーや多義的な解釈を利用して、役人の我慢度を試している。

・(展示が許可されるものとされないものの)境界はあいまいだが、多くのアーティストはどこまでその境界を押してよいか分かっている。上海のギャラリーOCT当代芸術中心(OCT Contemporary Art Terminal, OCAT)のディレクター張培莉(チャン・ペイリー)は、「法輪功、ダライ・ラマ、天安門事件に関する展示、国家指導者を侮辱するあらゆるもの、局部を見せるあらゆるアート」という禁止項目リストを提示してくれた。

→政治上の理由で、展示内容、作品のテーマ等に関して中国では未だに表現の制約が多いことが伺えます。

北京の大気汚染の主犯は重工業

北京の大気汚染の主犯は重工業というThe Wall Street Journalの記事を読みました。

Beijing’s Smog Ain’t Going Nowhere – China Real Time Report – WSJ

記事の要旨は、

・北京とその周辺地域におけるPM2.5の58%は、電力、製鉄、セメント、れんが産業における石炭燃焼から来ている。一方、自動車による排出はわずか4%程度。

・北京の外側の河北省には製鉄産業が集中しており、北京は世界最大の工業活動の集中地の真ん中に位置することとなっている。

・中央政府の定めた汚染(解消)目標に合致するには今後4年間で全国の石炭消費を10%減らす必要があるが、2013年には石炭消費が2.5%増加したことを踏まえると、それは難しそうだ。

・石炭消費を減らすには、天然ガス、原子力、再生可能エネルギー等の別のエネルギー源の大きな拡大が必要。

・中国のエネルギー供給に占める石炭の割合は2006年の71%から2013年には65%に減ったが、石炭消費の絶対量を減らすには十分な速さでない。

等の内容です。

北京の大気汚染の主な原因は石炭を大量に燃やす重工業で、自動車の排気ガスは意外にも要因としては小さいようです。

大気汚染を改善するには重工業での石炭消費を減らすことが必要とのことで、汚染が根本的に解決されるにはまだまだ時間がかかりそうな現状が伺えます。

2014年に日本と近隣諸国で開催されるビエンナーレ、トリエンナーレ一覧 (更新版)

2014年に日本と近隣諸国で開催される、現代美術の国際展(ビエンナーレ、トリエンナーレ)の最新情報をまとめました。

以前投稿した、2014年に日本と近隣諸国で開催される現代美術の国際展一覧の更新版です。

・札幌国際芸術祭
2014年7月19日から9月28日
会場: 北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館など
札幌国際芸術祭 2014

・横浜トリエンナーレ
2014年8月1日から11月3日
会場: 横浜美術館、新港ピアなど
キュレーターは森村泰昌氏
ヨコハマトリエンナーレ 2014

・光州ビエンナーレ (韓国)
2014年9月5日から11月9日
Gwangju Biennale Foundation

・福岡アジア美術トリエンナーレ
2014年9月6日から11月30日
会場: 福岡アジア美術館など
第5回 福岡アジア美術トリエンナーレ 2014

・BIWAKOビエンナーレ
2014年9月13日から11月9日
会場: 近江八幡市、大津市の各所
BIWAKOビエンナーレ

・台北ビエンナーレ (台湾)
2014年9月13日から2015年1月4日
会場: 台北市立美術館
About 2014 Taipei Biennial Curator – Taipei Fine Arts Museum

・みちのおく芸術祭 山形ビエンナーレ
2014年9月20日から11月22日
会場: 山形県郷土館「文翔館」、東北芸術工科大学キャンパスなど
みちのおく芸術祭 山形ビエンナーレ 2014

・釜山ビエンナーレ (韓国)
2014年9月20日から11月22日
会場: 釜山市立美術館、釜山文化会館など
Busan Biennale

・上海ビエンナーレ (中国)
2014年10月25日から2015年3月2日
Shanghai Biennale  ※2014年の情報は未掲載

今年は3年に1度の横浜トリエンナーレの開催年と、韓国、中国、台湾の主要なビエンナーレの開催年に当たっています。

また、日本では、札幌、福岡、滋賀、山形でも小・中規模のビエンナーレが開催されます。

開催時期はいずれも秋前後で、ピーク時には最大10近くの芸術祭が東アジアで同時開催されることになります。

2014年に日本と近隣諸国で開催される現代美術の国際展一覧

2014年に日本と近隣諸国で開催される、現代美術の国際展(ビエンナーレ、トリエンナーレ)をまとめました。

日本では、通算5回目の横浜トリエンナーレが8月から開催されます。

シンガポールビエンナーレ
2013年10月26日から2014年2月16日 ※開催中
http://www.singaporebiennale.org/

深セン・香港都市建築ビエンナーレ
2013年2月6日から2014年2月28日 ※開催中
http://en.szhkbiennale.org/

横浜トリエンナーレ
2014年8月1日から11月3日
http://www.yokohamatriennale.jp/2014/

光州ビエンナーレ
2014年9月5日から11月9日
http://www.gwangjubiennale.org/eng/gb/intro/

上海ビエンナーレ
2014年10月25日から2015年3月2日
http://www.shanghaibiennale.org/en/

具体的な日程は不明ですが、この他に、台北ビエンナーレ、釜山ビエンナーレも2014年が開催年に当たります。

中国の大気汚染がますます深刻化している

中国の大気汚染が、ますます深刻化しているようです。

北京の大気汚染のひどさは日本でもよく報道されるようになりましたが、実際は北京だけでなく中国の全土で大気汚染が深刻化していて、12/6には上海でもPM2.5の観測値が記録的な値(500μg/㎥)に達しました。

上海のアメリカ領事館が計測・発表してる数値によると、12/6 13:00に509μg/㎥が記録されていて、これは日本の環境基準(1日平均値)35μg/㎥と単純に比べると、15倍近い数値です。

参考:環境省 微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報

この日の上海は、地面近くまで厚いスモッグに覆われ、外に出るとスモッグの雲の中を歩いているような状態になっていたようです。

また、今月上旬と同じ位大気汚染のひどかった今年1月には、大気汚染がひどすぎて、発生したスモッグが華北~華中の約1200kmに渡って宇宙から観察できました。

汚染の範囲は普段は中国国内に収まっていますが、風が非常に強い日には日本にもPM2.5が流れてくる日があるので、私達にとっても他人事ではありません。

なお中国の大気汚染状況をリアルタイムで知るのには、アジアの大気汚染というサイトが便利です。

アジアの大気汚染:リアルタイム気質指数ビジュアルマップ

※中国だけでなく、日本や韓国、東南アジア等の速報値も地図やグラフで見ることができます。

アジアの大気汚染 リアルタイム気質指数ビジュアルマップ

またこの他では、中国のアメリカ大使館・領事館が発表しているPM2.5速報値のtwitterも便利です。

北京: @BeijingAir
上海: @CGShanghaiAir
広州: @Guangzhou_Air
成都: @CGChengduAir
瀋陽: @Shenyang_Air

今後旅行、仕事等で中国に渡航する予定のある方は、これらの情報源で事前に大気汚染の状況を確認されることをおすすめします。

北京旅行の記録 5 ― 王府井

3日目 番外編

王府井

夜、ホテル近くの王府井を散策。

王府井(ワンフーチン)は北京市中心部の伝統ある繁華街で、広い歩行者専用道路に沿って、大規模の百貨店や商業ビルが立ち並ぶ街です。
王府井

百貨店の北京市百貨大楼。
王府井 北京市百貨大楼

百貨店の新東安市場。
王府井 新東安市場

新東安市場の内部。
建物の外見は擬古調でしたが、内部はこのように現代的な造りの百貨店となっていました。
王府井 新東安市場

王府井沿いの細い通りにある、王府井小吃街という屋台街。
王府井小吃街

様々な料理の屋台に混じって、ヒトデや蠍の串を売る屋台が!(食べてはいません)
王府井小吃街 ヒトデや蠍の串を売る屋台

小吃街には雑貨屋等もあり、狭い路地に観光客や見物客が溢れていました。
王府井小吃街

北京旅行の記録 4 ― 明十三陵 定陵

3日目 つづき

明十三陵 定陵

万里の長城を見学した後、ツアーバスで明十三陵の定陵(世界遺産)へ。

定陵は、明の14代皇帝万暦帝の陵墓です。

定陵の入り口。
明十三陵 定陵 入口

柱上の円柱状の部分に、明時代の装飾が残る階段。
明十三陵 定陵 階段

さらに進んだ階段に残る、竜と鳳凰?の装飾石板。
明十三陵 定陵 階段の装飾

定陵の遠景。
石垣上の大きな建物は明楼(めいろう)と呼ばれる楼閣で、定陵で一番大きな建物です。
明十三陵 定陵 明楼

地下の墓室(地下宮殿)へ。
明十三陵 定陵 地下宮殿

万暦帝の生前の玉座を模して造られたという宝座。
明十三陵 定陵 地下宮殿の万暦帝宝座

万暦帝と皇后の棺(複製品)が置かれている後殿と呼ばれる部屋。
明十三陵 定陵 地下宮殿 後殿

中央の大きな棺は万暦帝の棺で、手前の小さな箱は副葬品を収めていた箱です。
明十三陵 定陵 地下宮殿 後殿

地上へ戻り、明楼の裏側へ。
明十三陵 定陵 明楼

明楼内の石碑。
明十三陵 定陵 明楼内の石碑

定陵の一帯には明代の皇帝の陵墓が13ヶ所あり、合わせて明十三陵と呼ばれていますが、そのうち観光客に公開されているのは、この定陵の他、長陵と昭陵という陵の計3ヶ所だけのようです。

今回は時間の都合で他の陵は見学できませんでしたが、定陵の地上の建築、地下の墓室の造り等は観覧していて興味深かったので、機会があればぜひ他の陵墓も見学してみたいと思いました。

北京旅行の記録 3 ― 万里の長城

3日目

3日目は、現地ツアーを利用して万里の長城と明の定陵を見学しました。

万里の長城

万里の長城(世界遺産)は、秦代から明代にかけて北方民族の侵入に備えて築かれた城壁で、そのうち現存している遺構の多くは明代に建造されたものです。

ツアーバスに1時間半ほど乗り、八達嶺長城(はったつれいちょうじょう)へ。
八達嶺長城は、北京市内の万里の長城の中で一番有名で、観光客の多い長城です。

八達嶺長城の北東側の長城。
この長城の部分を左下から右中部にかけて登りました。
万里の長城 八達嶺

長城の上に登った様子。
万里の長城 八達嶺

奥の山まで長城が続いている光景が望めます。
万里の長城 八達嶺

北東側の長城の中腹部から、南西側の長城を眺めた様子。万里の長城 八達嶺

八達嶺長城では、1時間ほど滞在し長城の中腹に登っただけでしたが、万里の長城の一部を実際に見て、そこに登れたという満足感を得られました。

北京市内では、他にも慕田峪長城司馬台長城等、万里の長城の別の一部を見られる箇所もあるようなので、機会があれば別の長城にも訪れてみたいと思いました。

北京旅行の記録 2 ― 円明園

2日目 つづき

円明園

頤和園に続いて、円明園(世界遺産)へ。

円明園は清代に造られた西洋風離宮ですが、清末期に戦争で破壊され、現在は一部の建物の廃墟だけが残されています。

地下鉄4号線の円明園駅で降り、南門から入園。
円明園 南門

庭園内に残る、石橋の廃墟。
円明園 残橋

庭園内の池。
円明園 池

上記の橋等を除くと目立った建造物が少ない庭園を15~20分ほど奥に歩くと、宮殿の廃墟が固まって残っている区域(西洋楼遺址区、せいようろういしく)に着きます。

以下、西洋楼遺址区の廃墟です。

この廃墟は、元は諧奇趣(かいきしゅ)と呼ばれる建物で、西洋式の泉を囲む3階建ての建築だったようです。
円明園 諧奇趣

元は方外観(ほうがいかん)と呼ばれた2階建ての宮殿の、残された柱部。
円明園 方外観

海晏堂(かいあんどう)と呼ばれる、円明園で最大の遺構。
元は2階建ての宮殿だったようです。
円明園 海晏堂

海晏堂内の、貯水施設の基台。貯水施設は、周囲の噴水に水を供給していたようです。
円明園 海晏堂 蓄水池台基

大水法(だいすいほう)と呼ばれる噴水群の廃墟。
円明園 大水法

黄花陣(おうかじん)と呼ばれる建造物。迷路状の通路を歩くと中央の楼閣に着けます。
円明園 黄花陣

近くから見た黄花陣の楼閣。
円明園 黄花陣

円明園の敷地は広大ですが、建造物や庭園が元のまま残っている箇所はなく、上に載せたような、西洋楼遺址区に残った10区画前後の廃墟群が一番の見どころでした。

北京旅行の記録 1 ― 頤和園

2012年12月から2013年1月にかけて北京に調査旅行に行った際の記録です。

北京は、ご存知の通り中国の首都ですが、万里の長城、故宮、頤和園等、著名で見どころの多い観光名所が市内に何ヶ所もあるほか、近年では、郊外に現代アートギャラリーの集積地等も生まれつつあり、遺跡・美術スポット等めぐりをする上で、目が離せない都市のひとつとなっています。

私は、7泊8日の日程で、北京市中心部のホテルに滞在しながら、市内・郊外の世界遺産、名所、美術館、ギャラリーを見学しました。

1日目

北京到着。王府井近くのホテルに宿泊。

2日目

頤和園

地下鉄で頤和園(世界遺産)へ。
頤和園は、清代に築かれた皇室庭園です。

地下鉄4号線の北宮門駅で降り、裏門(北宮門)から頤和園に入園しました。

※私は通常と逆順序で観光してしまったのですが、以下では頤和園の全体像が分かりやすいように適宜順番を変えて写真を掲載しています。

頤和園の主要部の遠景。
頤和園

奥の小高い山(万寿山)に見える、八角形(この写真だと六角形位に見えますが)で三層の建物は、仏香閣(ぶっこうかく)という名前で、頤和園を代表する建物です。

また手前の湖は、昆明湖と呼ばれ、頤和園の敷地の4分の3を占める大きな湖です。
普段の季節は青々とした水を湛えている湖らしいですが、私が訪問した時期は寒さで水が凍結し、湖面の上が歩ける状態となっていました。

排雲殿(はいうんでん)。仏香閣(奥に一部が写っている)の手前にある建物で、頤和園の正殿。
頤和園 排雲殿

排雲門(はいうんもん)。排雲殿のさらに手前に位置する門です。
頤和園 排雲門

万寿山を登り、間近から仏香閣を見た様子。
頤和園 仏香閣

正門(東宮門)付近の宮殿区域と万寿山の区域を結ぶ、長廊(ちょうろう)と呼ばれる長い回廊。
頤和園 長廊

ここからは、正門付近の宮殿区域の建築物です。

皇帝(光緒帝)や西太后が頤和園に滞在した際に執務を取ったという、仁寿殿(じんじゅでん)という宮殿。
頤和園 仁寿殿

宮殿区域の南端、昆明湖の岸辺にある城門、文昌閣(ぶんしょうかく)。
頤和園 文昌閣

頤和園の正門、東宮門(とうぐうもん)。
頤和園 東宮門

見学した感想として、頤和園内の個々の建築に関して言えば、仏香閣、文昌閣等の一部の建物が規模的に大きいことを除けば、各建物ともやや様式化した造形が目立ち、非常に見どころがあるという印象ではありませんでした。

ただし、園自体は、広大な敷地の庭園で、湖、山、塔、回廊、宮殿等様々な要素が構成する風景が、各場所ごとに風情があったり、珍しかったりで、歩いていて名所感を味わえる庭園でした。

北京の観光地では、万里の長城と故宮が名所の筆頭と言えるかと思いますが、頤和園もそれらに次いで訪れる価値がある場所と思いました。