府中市美術館で「東京・ソウル・台北・長春-官展にみる-それぞれの近代美術」展が開幕

今週から、府中市美術館で、20世紀前半に国主催の公募展(官展)に出品された、当時の日本施政下の東アジアの近代美術を扱う「東京・ソウル・台北・長春-官展にみる-それぞれの近代美術」(5/14 – 6/8)が始まるようです。

市制施行60周年記念 東京・ソウル・台北・長春-官展にみる-それぞれの近代美術 – 府中市美術館

東アジアを舞台に描かれた藤島武二、安井曾太郎等の日本人画家の近代絵画の他、韓国の国立現代美術館、サムスン美術館、台湾の国立台湾美術館、台北市立美術館等から、朝鮮や台湾の画家の近代絵画が出品されるようです。

日本、朝鮮、台湾等の同時期(戦前)の近代美術を並べて鑑賞できる機会は珍しく、また東アジアの近代絵画は個人的に興味のある分野の一つでもあるので、ぜひ見に行きたいと思っています。

東京都美術館の今年度の展覧会予定が判明

新年度になり、東京都美術館の今後1年間の展覧会予定が公開されていました。

展覧会 – 東京都美術館

東京都美術館では現在バルテュス展(2014/4/19-6/22)が開催中ですが、その後、7月中旬からは、ニューヨーク メトロポリタン美術館のエジプト美術コレクションから約200点が出品されるメトロポリタン美術館 古代エジプト展(7/19-9/23)が開かれるようです。

また、10月からはボッティチェリの作品が出品されるウフィツィ美術館展」(10/11-12/14)が、2015年1月からは新印象派展(2015/1/24-3/29)が開催されるようです。

どれも良さそうな展覧会ですが、ボッティチェリの作品が複数出品される(参考 PDF)ウフィツィ美術館展は特に見てみたい気がします。

[ギャラリー] 2013年11月 奈良旅行 2

2日目:
室生寺→長谷寺→聖林寺→安倍文殊院

事前予約が必要な京都の宮殿、寺院、庭園など

京都には時期を決めて境内や美術作品の特別公開を行っている寺院、神社等の他に、通常は非公開で見学には事前申し込みが必要な観光地がいくつかあります。

事前予約が必要な京都の観光地 – Naver まとめ

このうち、京都御所桂離宮修学院離宮苔寺(西芳寺)などは特に代表的です。

宮内庁管理の京都御所、桂離宮、修学院離宮は、ハガキ、窓口(宮内庁の京都事務所)、ネットで申し込みができるようですが、遠方から申し込みが可能で一番確実に予約が取れるのはハガキでの申し込みのようです。 (参考

また、京都御所は、春と秋に各5日程度一般公開もされます。

苔寺の見学申し込みは同寺あてのハガキで受け付けていて、コースには写経等も含まれているようです。

ブログのデザイン(テーマ)をWordPressの最新版デフォルトテーマに変更しました

先日、このブログのデザイン(テーマ)を、WordPressの2014年版デフォルトテーマ(Twenty Fourteen)に変更しました。

新テーマ Twenty Fourteen – WordPress.com
Twenty Fourteen デモサイト

WordPressのデフォルトテーマは、毎年その年の名前が付いたテーマ(2012年はTwenty Twelve、2013年はTwenty Thirteen 等)として発表されており、Twenty Fourteenはその今年版となります。

Twenty Fourteenは、WordPressのASP版(レンタルブログ版)のWordPress.comや、WordPressの各種便利プラグイン等の作成、運営を行っている米Automattic社に所属する、日本人デザイナーの方(入江隆さん)が制作されたようです。

完全なレスポンシブデザインになっており、PC、タブレット、スマホのどれで開いても、見やすく、操作しやすいUIです。

また、日本人デザイナーの方によるデザインだからか、WordPressの今までのデフォルトテーマと違って、日本語でもフォントが変な種類やサイズになったりせず、文字が読みやすいのも良いです。

中国では千単位の新しい美術館が造られている。しかし…

中国では千単位の新しい美術館(博物館)が造られているが、その中身をどうやって満たすのかというThe Economistの記事(2013年12月)を読みました。

Mad About Museums – China is building thousands of new museums, but how will it fill them?

中国各地で新しい美術館が鳴り物入りで開館するものの、その後コレクションもキュレーターも整わず、運営が継続的に行われない美術館も多いという主旨の記事です。

以下、適宜コメントを加えながら、内容の一部を抜粋・翻訳します。

・北京の五環路の外の、つい最近都市化された地区にある紅磚当代美術館(The Red Brick Contemporary Art Museum)は、1年余り前に完成した美術館で、新しく、7つの展示室を備えているが、現在入口近くの小さな一角以外は全く何も展示されていない。

→新しく開館した美術館が十分に活用・運営されていない事例。なお、紅磚当代美術館(日本語では「赤レンガ現代美術館」というような意味)という美術館は、北京の東北部の、韓国系ギャラリーが集まる望京地区等よりもさらに外側の元農村地域に開館した美術館のようです。(参考

・北京、上海だけでなく第2級、第3級の都市も含めた中国の各都市で、毎日のように美術館が生まれているが、その多くは未だにコレクションも学芸員も有していない。

→新設される美術館の多くがコレクションも学芸員も(!)持っていないというのは驚きです。

・1949年の中華人民共和国建国当時、中国には25の美術館しかなかった。1978年の鄧小平の改革開放政策以後、美術館の建設ブームが起こった。

・現行の五カ年計画(注: 第十二次五カ年計画、2011-2015年)では、中国では2015年までに3500館の美術館ができることになっているが、実際は2012年に計画は3年前倒しで達成された。2012年には451館の新しい美術館が開館し、同年末の時点で美術館の合計数は3866館となった。

→2012年だけで450館も開館と、近年急速に美術館の数が増えているようです。中国の13億という膨大な人口と単純に比較すると、4000弱という数自体は決して多すぎるとは思いませんが、美術館に行くような裕福な生活を送っている人が都市部のごく一部であることを考えると、現時点ではやはり過剰な数かもしれません。

・対して、アメリカで2008年の金融危機以前の10年間に建てられた美術館は年わずか20から40館だった。

→アメリカでも年に20から40館程度美術館が新設されているというのは、意外に多い印象です。

・公共美術館は、伝統的には中国文化の重要な要素ではなかった。(皇室の美術コレクションは宮殿に所蔵され、ごく一部の選ばれた人間しか見られなかった)

・中国の役人はそれを変え、ニューヨーク、パリ、ロンドン等の世界の大都市のように、中国も著名な美術館を持つべきだと考えている。また、古代文化を地元民にも外国人にも同じく見せびらかしたいと思っている。

→古代美術の展示に関して言えば、現在紫禁城内の古い宮殿を展示室として使っている故宮博物院に、大英博物館やルーブル美術館に匹敵する5万㎡規模の展示室を持つ新館(分院)を郊外に建築する計画が進んでいるというニュースが昨年ありました。(参考

・2009年に中国国務院は、文化を戦略産業の水準に格上げした。長期的に、文化は、GDPの5%を構成する「柱産業」となるべきとされている。美術館もその政策の一部である。

→近年中国各地で創意区(文化・芸術産業の育成地区のようなもの)が多く誕生していますが、その中にも政府や行政の政策・支援に基づくものは多いようです。(上海の創意地区に関する参考論文(PDF))

・北京では、政府がオリンピック公園の一部を、3つの新美術館と劇場、新しい国立図書館を備えた文化拠点にしようと計画している。

・また、北京市北東部の798芸術区に近い地区には、新しい中国美術館(National Art Museum of China, NAMOC)が建設される予定である。新しい中国美術館は、フランス人建築家のジャン・ヌーベルによって設計され、市中心部にある現行の中国美術館(1958年建設、8300㎡、5階建)の6倍の規模になる予定である。

→中国美術館は、中国の近現代美術を展示している美術館です。(日本で言うなら、東京国立近代美術館等に似たような役割・イメージでしょうか)

・公共美術館の建設ブームだけでなく、富裕なコレクターによる私立美術館の建築も続いている。

・コレクションの収集、運営等に成功している少ない私設美術館には、北京のユーレンス現代美術センター(Ullens Center for Contemporary Art, UCCA)、上海の震旦博物館(Aurora Museum、安藤忠雄建築)、上海外灘美術館(Rockbund Art Museum)がある。

→ユーレンス現代美術センターは、2007年、北京の798芸術区にベルギー人コレクターのユーレンス夫妻によって開設された美術館で、798芸術区の中心的なギャラリーの一つとなっています。
震旦博物館は、台湾系の震旦集団という企業によって2012年に作られた美術館で、中国の古代美術を展示しているようです。また、上海外灘美術館は外灘(バンド)地区の一角の再開発プロジェクトの一環として2010年に開設された美術館で現代美術を展示しているようです。

・2012年の上海ビエンナーレの際に開館し、アーティスト邱志杰のキュレーションによる展示が行われた上海当代芸術博物館(Power Station of Art)は、その展示の終了後活力を失った。取るに足る常設コレクションを持たず、常勤のキュレーターを雇うのに苦労している。

→上海当代芸術博物館は、2010年の万博時に発電所を改装して作った展示館を、万博終了後に美術館として開館させたもののようです。かなり大規模な美術館のようですが、常勤のキュレーターを雇うのに苦労しているというのは本当でしょうか・・?

・上海では近々2つの大規模美術館が開館する予定である。ひとつは上海の”スーパーコレクター” 劉益謙、王薇夫妻による美術館で、もうひとつはイタリア人アーティスト マウリツィオ・カテランの作品収集で知られる、中国系インドネシア人のコレクターBudi Tek氏の美術館である。両館とも鳴り物入りで開館するが、自身の役割を長期的に見出していくのは難しいかもしれない。

→前者は龍美術館、後者は余徳耀美術館(Yuz museum、追加参考リンク)として既に開館しているようです。
2010年頃は上海には現代美術の美術館はまだ片手に収まる位(上海当代芸術館上海多倫現代美術館上海ヒマラヤ美術館(旧上海証大美術館))等)しかなったように思いますが、ここ3~4年新しい美術館の開館が続いているようです。

・(美術館運営の)頭痛の種の一つは当局への対処で、中国の文化政策がほとんど明文化されていないだけでなく、たとえ短期であっても外国から美術品を持ってくるのに高額の証書を提出するか、輸入許可を取らなくてはいけなかったりする。

・歴史や政治に関する敏感さも見積もりが難しくなりがちである。例えば、文化大革命に関する展示は、公共美術館よりも私設美術館で、また北京よりも北京から遠い場所で許可されやすい傾向がある。(文化大革命に関する展示は)共に南の成都で1件、スワトウ(広東省)で1件あった。

→約40年前の文化大革命に関して、未だに2件程度しか展示が行われていないというのは驚きです。

・現代美術では、中国人アーティストはアイロニーや多義的な解釈を利用して、役人の我慢度を試している。

・(展示が許可されるものとされないものの)境界はあいまいだが、多くのアーティストはどこまでその境界を押してよいか分かっている。上海のギャラリーOCT当代芸術中心(OCT Contemporary Art Terminal, OCAT)のディレクター張培莉(チャン・ペイリー)は、「法輪功、ダライ・ラマ、天安門事件に関する展示、国家指導者を侮辱するあらゆるもの、局部を見せるあらゆるアート」という禁止項目リストを提示してくれた。

→政治上の理由で、展示内容、作品のテーマ等に関して中国では未だに表現の制約が多いことが伺えます。