日本美術全集 一覧

日本の美術作品の調査を行うための資料リストの一つとして、近年国内で出版された日本美術全集の一覧を作成しました。

※並びは出版年の新しい順です。

小学館 日本美術全集

現在刊行中の、最新の日本美術全集。
2012年に出版が開始され、現時点で全20巻中5巻が配本済み。今後、2ヶ月に1巻のペースで配本が続けられ、2016年2月に全巻の出版が完了予定。

小学館 日本美術全集

各巻の詳細は以下の通り。

1巻 日本美術創世記(縄文・弥生・古墳時代)
●2巻 法隆寺と奈良の寺院(飛鳥・奈良時代Ⅰ)
●3巻 東大寺・正倉院と興福寺(奈良時代Ⅱ)
4巻 密教寺院から平等院へ(平安時代Ⅰ)
5巻 王朝絵巻と貴族のいとなみ(平安時代Ⅱ)
6巻 東アジアのなかの日本美術(テ-マ巻①)
7巻 運慶・快慶と中世寺院(鎌倉・南北朝時代Ⅰ)
8巻 中世絵巻と肖像画(鎌倉・南北朝時代Ⅱ)
9巻 水墨画とやまと絵(室町時代)
●10巻 黄金とわび(桃山時代)
11巻 信仰と美術(テ-マ巻②)
12巻 狩野派と遊楽図(江戸時代Ⅰ)
●13巻 宗達・光琳と桂離宮(江戸時代Ⅱ)
●14巻 若冲・応挙、みやこの奇想(江戸時代Ⅲ)
15巻 浮世絵と江戸の美術(江戸時代Ⅳ)
16巻 激動期の美術(幕末から明治時代前期)
17巻 前衛とモダン(明治時代後期~大正時代)
18巻 戦争と美術(戦前・戦中)
19巻 拡張する戦後美術(戦後~1995)
20巻 日本美術の現在・未来(1996~現在)

●印は刊行済、残りは今後刊行予定。

参照:
小学館 日本美術全集
小学館 日本美術全集 – amazon

講談社 日本美術全集

1990年から1994年にかけて初版が出版。
上記の小学館の全集が出版されるまでの約20年間、最新の日本美術全集だった。現在は絶版。

講談社 日本美術全集

1巻 原始の造形 縄文・弥生・古墳時代の美術
2巻 法隆寺から薬師寺へ 飛鳥・奈良の建築・彫刻
3巻 正倉院と上代絵画 飛鳥・奈良の絵画・工芸
4巻 東大寺と平城京 奈良の建築・彫刻
5巻 密教寺院と仏像 平安の建築・彫刻Ⅰ
6巻 平等院と定朝 平安の建築・彫刻Ⅱ
7巻 曼荼羅と来迎図 平安の絵画・工芸Ⅰ
8巻 王朝絵巻と装飾経 平安の絵画・工芸Ⅱ
9巻 縁起絵と似絵 鎌倉の絵画・工芸
10巻 運慶と快慶 鎌倉の建築・彫刻
11巻 禅宗寺院と庭園 南北朝・室町の建築・彫刻・工芸
12巻 水墨画と中世絵巻 南北朝・室町の絵画Ⅰ
13巻 雪舟とやまと絵屏風 南北朝・室町の絵画Ⅱ
14巻 城と茶室 桃山の建築・工芸Ⅰ
15巻 永徳と障屏画 桃山の絵画・工芸Ⅱ
16巻 桂離宮と東照宮 江戸の建築Ⅰ・彫刻
17巻 狩野派と風俗画 江戸の絵画Ⅰ
18巻 宗達と光琳 江戸の絵画Ⅱ・工芸Ⅰ
19巻 大雅と応挙 江戸の絵画Ⅲ・建築Ⅱ
20巻 浮世絵 江戸の絵画Ⅳ・工芸Ⅱ
21巻 江戸から明治へ 近代の美術Ⅰ
22巻 洋画と日本画 近代の美術Ⅱ
23巻 モダニズムと伝統 近代の美術Ⅲ
24巻 建築とデザイン 近代の美術Ⅳ
別巻 総索引・資料

参照:
講談社 日本美術全集 – amazon

学研 日本美術全集

1977年から1980年にかけて初版が出版。
現在も全巻セットで販売中。

学研 日本美術全集

1巻 土器と埴輪(はにわ) 原始・古代の美術
2巻 法隆寺と斑鳩の寺 飛鳥・白鳳の美術Ⅰ
3巻 高松塚と藤原京 飛鳥・白鳳の美術Ⅱ
4巻 南都七大寺 天平の美術1
5巻 正倉院 天平の美術2
6巻 東寺/神護寺/室生寺 密教の美術
7巻 平等院鳳凰堂 浄土宗の美術
8巻 三筆/三跡 平安・鎌倉の書
9巻 源氏物語絵巻と三十六人家集 王朝の美術
10巻 絵巻と肖像画 鎌倉の絵画
11巻 春日/日吉/熊野 神道の美術
12巻 運慶と快慶 鎌倉の彫刻・建築
13巻 禅院と庭園 禅宗の美術1
14巻 墨跡と禅宗絵画 禅宗の美術2
15巻 金閣と銀閣 北山・東山の美術
16巻 雪舟/雪村/元信 室町の水墨画
17巻 永徳/等伯/友松 桃山の障屏画
18巻 姫路城と二条城 近世武将の美術
19巻 桂/修学院と京都御所 近世宮廷の美術
20巻 茶器と茶室 茶の美術
21巻 光悦/宗達/光琳 琳派
22巻 風俗画と浮世絵 江戸庶民の絵画
23巻 円空.木喰/白隠.仙厓/良寛 江戸の宗教美術
24巻 大雅/玉堂/応挙 文人画と写生画
25巻 文晁/崋山と洋風画 近代絵画の黎明
別巻 図版総索引

参照:
学研 日本美術全集
学研 日本美術全集 – amazon

小学館 原色日本の美術

1966年から1972年にかけて初版出版。
以後改訂が重ねられ、1980年に改訂版、1990年に改訂第2版、1994年に改訂第3版が出版されている。
現在も全巻セットで販売中。また、中古品がヤフオク等で多く流通。

原色日本の美術

最新の改訂第3版の詳細は以下の通り。

1巻 原始美術
2巻 法隆寺
3巻 奈良の寺院と天平彫刻
4巻 正倉院
5巻 密教寺院と貞観彫刻
6巻 阿弥陀堂と藤原彫刻
7巻 仏画
8巻 絵巻物
9巻 中世寺院と鎌倉彫刻
10巻 禅寺と石庭
11巻 水墨画
12巻 城と書院
13巻 障屏画
14巻 宗達と光琳
15巻 桂離宮と茶室
16巻 神社と霊廟
17巻 風俗画と浮世絵師
18巻 浮世絵
19巻 南画と写生画
20巻 南蛮美術と洋風画
21巻 面と肖像
22巻 陶芸(1)
23巻 陶芸(2)
24巻 染織・漆工・金工
25巻 甲冑と刀剣
26巻 書
27巻 在外美術
28巻 請来美術(絵画・書)
29巻 請来美術(陶芸)
30巻 近代の日本画
31巻 近代の洋画
32巻 近代の建築・彫刻・工芸
33巻 現代の美術

参照:
小学館 原色日本の美術
原色日本の美術 – amazon
原色日本の美術 – ヤフオク

奈良の特別拝観(2013年秋) まとめ

この秋奈良にも調査旅行に行こうと計画しているので、見学先を決めるための事前準備として、奈良 の寺院・神社の今秋の特別拝観、特別公開のうち、訪問先候補に入れたいと思ったものをまとめてみました。

※並びは会期の開始日順です。

松尾寺 寺宝展、千手観音像トルソー

2013年9月1日(日)~ 11月10日(日)
木造十一面観音立像(重文)、焼損のトルソー風千手観音像等が宝蔵殿で特別公開される。
松尾寺 年中行事
松尾寺 秘仏開帳

法隆寺 大宝蔵殿

2013年9月11日(水) ~11月30日(土)
通常非公開の仏像、絵画、工芸品、歴史資料等(国宝、重文複数)が大宝蔵殿で公開される。
特別公開「法隆寺秘宝展」秋季 – JRおでかけネット

室生寺 弥勒堂

2013年9月14日(日)~10月14日(月)
弥勒堂の釈迦如来坐像(国宝)、弥勒菩薩像(重文)が公開される。
室生寺 2013年行事一覧

薬師寺

2013年9月16日(月)~11月30日(土)
大宝蔵殿で仏像、絵画、その他文化財(国宝、重文複数)が公開される他、玄奘三蔵院伽藍が公開される。また、修理中の東塔(国宝)の水煙(塔の最頂部の金属製の装飾)の展示も行われる。
薬師寺 秋の宝物公開 玄奘三蔵展について
薬師寺 国宝東塔 水煙降臨展開催

薬師寺

般若寺

2013年9月21日(土)~11月11日(月)
阿弥陀如来立像(重文)、胎内仏三尊(重文)等が開帳される。
般若寺 白鳳秘仏特別公開

大安寺

2013年10月1日(火)~11月30日(土)
本堂の十一面観音立像(重文)が公開される。
大安寺 十一面観音立像

浄瑠璃寺

2013年10月1日(火)~11月30日(土)
吉祥天女像(重文)が公開される。
浄瑠璃寺 – あ志び乃店 ※所在地は京都府木津川市

東大寺

2013年10月5日(土)
勧進所八幡殿の僧形八幡神坐像(国宝)、勧進所阿弥陀堂の五劫思惟阿弥陀坐像、公慶堂の公慶上人坐像(重文)が公開される。
東大寺  秘仏開扉について

唐招提寺 御影堂

2013年10月5日(土)~10月7日(月)
御影堂(重文)、同堂内の鑑真和上像(国宝)が公開される。

橘寺

2013年10月5日(土)〜11月4日(月・祝)
聖倉殿(収蔵庫)で聖徳太子絵伝(重文)第七・八幅、伝日羅立像(重文)等の文化財が公開される。
聖倉殿(収蔵庫)特別公開 – 知れば知るほど奈良は面白い

談山神社

2013年10月13(日)〜12月8日(日)
拝殿で天皇・公家の書画の展示が行われる。
談山神社 最新情報

興福寺 南円堂

2013年10月17日(木)
南円堂(重文)と同堂内の不空羂索観音菩薩坐像(国宝)、法相六祖坐像(国宝)、四天王立像(国宝)が特別公開される。
興福寺 大般若経転読会(南円堂)

不空院

2013年10月中旬~下旬
本尊の不空羂索観音坐像(重文)等が公開される。
不空院 不空羂索観音坐像 特別公開

長谷寺

2013年10月20日(日)〜12月8日(日)
本尊の十一面観世音菩薩立像(重文)の特別拝観と、仏像、絵画、その他文化財等の展示が行われる。
長谷寺 秋季特別拝観
長谷寺 宗宝蔵案内

唐招提寺 礼堂

2013年10月21日(月)~10月23日(水)
礼堂(重文)、同堂内の金亀舎利塔(国宝)、釈迦如来立像(重文)が公開される。
唐招提寺 年中行事 秋

法隆寺 救世観音

2013年10月22日(火)~11月22日(金)
夢殿本尊の救世観音(国宝)が特別公開される。
法隆寺 法隆寺の四季 秋

法隆寺

霊山寺

2013年10月23日(水)~11月10日(日)
本堂で薬師如来坐像、十一面観音立像、毘沙門天立像、木造彩色華蔓(いずれも重文)等が公開される。
霊山寺 秋薔薇と秘仏宝物展2013開催

海龍王寺

2013年10月25日(金)~11月10日(日) ※日程は前後する可能性あり
十一面観音菩薩立像(重文)が公開される。
海龍王寺 海龍王寺の行事

西大寺

2013年10月25日(金)~11月15日(金)
愛染明王坐像(重文)が特別開扉される他、聚宝館(宝物館)で吉祥天立像(重文)、行基菩薩坐像(重文)等が公開される。
西大寺 – 奈良ネット

帯解寺

2013年10月26日(土)~11月3日(日)
春日赤童子画像、不動明王像坐像、虚空蔵菩薩坐像等が公開される。
帯解寺 秘仏・秘宝特別開帳

興福寺 北円堂

2013年10月26日(土)~11月10日(日)
北円堂(国宝)と同堂内の弥勒如来坐像、無著・世親立像、四天王立像(いずれも国宝)が公開される。
興福寺 国宝秋期特別公開(北円堂) – JRおでかけネット

興福寺 北円堂

信貴山朝護孫子寺

2013年10月26日(土)~11月10日(日)
信貴山縁起絵巻(国宝)第一巻が公開される。
信貴山朝護孫子寺

頭塔

2013年10月26日(土)~11月11日(月)
頭塔、頭塔側面の石仏(重文)を見学できる。
史跡 頭塔

海住山寺 五重塔

2013年10月27日(日)~11月4日(月)
五重塔(国宝)の初層内部が公開される。
海住山寺 ※所在地は京都府木津川市

海住山寺 寺宝展

2013年10月27日(日)~11月11日(月)
例年、仏像、仏画等の文化財(重文複数含む)が公開される。
海住山寺

法華寺

2013年10月下旬~11月上旬
本尊の十一面観音像(国宝)の他、慈光殿にて絹本着色阿弥陀三尊および童子像(国宝)等が公開される。
法華寺門跡

岩船寺

2013年10月下旬~11月上旬
三重塔(重文)の初層が特別開扉される。
平成25年 秘宝特別公開 – 奈良市観光協会

法隆寺 上御堂

2013年11月1日(金)~11月3日(日・祝)
上御堂(重文)と同堂内の釈迦三尊像(国宝)、四天王像(重文)が公開される。
法隆寺 上御堂

正暦寺

2013年11月2日(土)~12月1日(日)
本堂で本尊の薬師如来倚像(重文)が公開される。
正暦寺 正暦寺の文化財

室生寺 金堂

2013年11月2日(土)〜12月15日(日)
金堂(国宝)と同堂内の釈迦如来像(国宝)、十一面観音像(国宝)等の仏像が公開される。
室生寺 2013年行事一覧

室生寺 金堂

どの特別公開を優先的に見学するかは、目的、見たい文化財のジャンルや傾向によって変わってくるかと思いますが、例えば仏像だけにジャンルを限って言えば、法隆寺の救世観音、法華寺の十一面観音像、興福寺南円堂、北円堂の諸仏、室生寺金堂の諸仏等は、特に見応えがあるのではないかと思います。

私自身は、上記のうち大規模寺院は既に複数回訪問してしまっているため、今秋は未訪問の目的地のうち法華寺、長谷寺、室生寺等を中心に見学したいと思っています。

[参考]
平成25年 秘宝特別公開 – 奈良市観光協会
秘宝・秘仏 – 知れば知るほど奈良はおもしろい
秘宝・秘仏特別開帳 – 巡る奈良
奈良・法隆寺エリアのイベント情報 – JRおでかけネット

[写真] Symmetry by Hideyuki KAMON法隆寺 by Richard, enjoy my life!北円堂 by Richard, enjoy my life!Murouji_03 by scarletgreen

2013年 正倉院展の開催概要

毎秋恒例の正倉院展が、今年は10月26日(土)から11月11日(月)まで奈良国立博物館で開催される。

正倉院

今回の出品作品は、計9000点を数える正倉院宝物(国宝、重文級の美術品、文化財を多数含む)のうち、初出展16点を含む66点。

出陳内容は正倉院宝物の全体像がうかがえる構成となっていますが、とりわけ23年ぶり二度目の出陳となる漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)をはじめとする仏具の優品、聖武天皇ご遺愛の平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)と屏風がまとまって出陳されるのが注目されます。このほか、楽器や伎楽面(ぎがくめん)、貴族の遊びの道具、腰飾りや刀子(とうす)などの装身具、宮中の年中行事にかかわる道具、奈良朝の人々の暮らしを伝える文書などが出陳されます。
第65回正倉院展 – 奈良国立博物館

正倉院展は、天平美術の傑作、シルクロード・唐等からの貴重な舶来美術を多く含む正倉院宝物を、まとまった形で鑑賞できる稀少な機会です。

私自身は過去の回を見学したことがないのですが、今年はぜひ見に行きたいと思っています。

[開催概要]
会期 2013年10月26日(土)~11月11日(月) ※無休
会場 奈良国立博物館
開館時間 午前9時~午後6時 ※金、土、日、祝は午後7時まで
料金 当日 大人1000円、大高生700円、小中生400円

[参考]
第65回正倉院展 – 奈良国立博物館
第65回正倉院展 – 読売新聞

(写真: 正倉院 by takato marui